Googleはユーザインタフェースの企業でしょ?
え、ロングテールとか、新しい経済のモデルとか、そんな話もあるけど、Googleはインタフェースとインタラクションの企業でしょ?って思うわけだが。
AJAXがすごいとか騒いでるのは、ちょっと悲しい。それより、なぜGoogleは、ブラウザ互換など問題にあふれるJavaScriptを駆使して、AJAXを使うのか?そこを考えるべきだ。
当然だが、ユーザインタフェースの話は欠かせない。そして、なぜユーザインタフェースにこだわるのかも考える必要がある。
単純に、使いやすい!便利!をねらっているわけではない、のがたぶんGoogleの戦略だと思っている。
Googleとテリーウィノグラード
おそらくGoogleを理解するためのキーとなるのは、テリーウィノグラードだろう。ウィノグラードは、元々人工知能の研究者で有名かつ権威でもあったが、人工知能の限界を提示し、HCI研究者へと移った。(そのことについては以下の本が詳しい)
コンピュータと認知を理解する―人工知能の限界と新しい設計理念では、なぜテリーウィノグラードがGoogleと関係あるのか。それは、テリーウィノグラードの研究室にGoogleの創始者であるラリーペイジが所属しており、ウィノグラードは、ラリーペイジの指導をはじめ、ペイジランクのアルゴリズムの論文の共著者でもある。このあたりの変遷は【テリー・ウィノグラード - Wikipedia】にもかかれている。
アンチ人工知能としてのペイジランク
ペイジランクのアルゴリズムは簡単にいえば、アンチ人工知能の象徴だ。つまり、人間の手によってリンクされたことを価値としたアルゴリズムである。コンピュータが勝手に思考し、よいリンクを選出するようなものではない。
そして、今日Googleはさまざまなサービスを提供しているが、いずれも人工知能チックなものはなく、「ユーザが使う」ことに特化したシステムを提供している。
同時に、Googleは大勢の人間が使えるようにすることで、Googleの持つデータが単なるデータではなくなり、「意味」へと変化し、それが最終的な知的なシステムとして営まれているわけである。
意味と価値をつくりだすユーザインタフェース
意味はどこで生成されるか、それは『ユーザーの行為』に他ならない。
そしてその行為が生まれるのは、紛れもなく、ユーザインタフェースである。
だから、Googleは使いやすい!便利!なアプリケーションを単純に提供しているわけではなく、おそらくはデータベースの意味と価値を高めるために、使いやすい便利なアプリケーションを提供していると考えられるわけだ。
ウィノグラードの他の著書として有名なのは、以下の本で、おそらく先に挙げた本よりかは読みやすい。
ソフトウェアの達人たち―認知科学からのアプローチこれからますます、ユーザインタフェースと、実践的な考え方としての「現象学」「社会学」の視点が重要になる。この点は、上記の書籍を参照すればわかるはずである。
ユーザインタフェースが「使い勝手のことである」という認識はもはや過去の話であるだろう。
もう7年くらいユーザインタフェースと現象学の勉強・研究やってきているが、その方向性は大きな流れとして間違ってい確信を最近持てた。ただ、自分に足りないのは社会学的な側面と、より現実的な視点である。
何でもできるコンピュータ、そして、あふれる情報に意味や価値を与えるのはユーザインタフェースである。ユーザインタフェースの本来の意義がようやく世の中に見えつつあるんじゃないだろうか。

