明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科で何が学べるか

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前回、2013年4月より 明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科の専任講師として着任とお知らせしました。

新しい学部学科のため、「一体何をやるのかよくわからない」というお話もたまに目にします。というわけで、何が学べるのか、なぜ先端メディアサイエンス学科行くべきで、将来どうなるのか。ということを主に箇条書きで書いてみたいと思います。

(これはあくまで私が現在考えていることの一例です。入学してきた学生と共に「やりたいこと」「問題意識」を共有しながら、実際には進めます)

時代背景と要求

  1. 世界の「もの作りの方法」が、ソフトウェアとハードウェアの融合になり、むしろソフトウェアが重要になっている。
  2. ソフトウェアが重要になったため、たとえば画面のデザインの「使いやすさ」や「美しさ」が重要になっている。
  3. たとえばスマートフォンの画面設計は工学部を卒業すればできるものでもない。(教える学部は極めて少ない)
  4. その一方で、こういったスマートフォンの画面の設計を芸術ではなくキチンと設計できるエンジニアや心理学者が求められている。
  5. これはスマートフォンに限らず、ウェブページの設計も芸術ではなく設計できる人材が求められている。
  6. 「もの作り」なのに、人間の認知や心理を知りながら「使いやすい」「心地よい」ことを考え設計できる人が求めらている。
  7. 常に人間を相手にする(部品や機構ではない)
  8. 将来的には画面の設計以上、プロダクトデザイン能力、機構といったことをふくめて、全く新しい仕組みをつくる。
  9. 理系でも文系でもない。そういう区別の時代は終わったと思ってください。
  10. インターネットは携帯も含めて、2000年以降に普及。ネット前提の発想でもの作りを教える大学は少ない。
  11. IT革命という言葉はもう古いかもしれませんが、まだ革命の最中。最新の社会の問題に対する新しい基礎を身につける必要。

人物像

人間に対する深い洞察、分析や知見に基づき、新しい道具やシステムを設計(デザイン)できる。新しい価値の製品や、サービスを自ら作り、それが社会や人間にどういう価値をもたらすか提案できる人物。スキルはプログラミングを中心に、ちょっとした電子工作から、プロダクトデザイン、グラフィックデザインまでできる。常に人間を相手にする。(もちろん人によって何を中心とするかは興味による)

話す見せる→動かす

「こんなアイデアどうだろう?」絵と言葉で提案するのではなく、実際にさくっとものを試作して、「こんなアイデアどうだろう?」と提案できる人物となり、言葉によるコミュニケーションを超えた新しいコミュニケーションスキルによって問題の早期発見と的確解決を行えるようになる。(先端メディアサイエンス学科では、試作とプレゼンテーションスキルの徹底な向上目指す→デモンストレーション精神、話すだけない→見せるだけでない→「動かす」をモットーにする。)

たとえば、こんな状況を考えよう。スマートフォンのような画面を設計するのに、「こんな感じに画面がバァーット動いて、ピョンと跳ね返って」では設計はできない。体験もできない。だから話すかのようなスピードでさくっと試作してしまい、それを動かしてみせる」。そうすると共有される。みんなが理解できる。コミュニケーション能力は英語や日本語だけではない。(ちなみに、スマートフォンの例が多いけど、スマートフォンの設計をする勉強するわけじゃないですからね!これからのメディアは内部的にも見た目的にも「動く」ので動きの設計が必要なのです。それを設計するにはこういった新しいコミュニケーション方法が必要なのです)Demo or Die (デモできないなら帰っていいよ)という文化がアメリカのマサチューセッツ工科大学のメディアラボにあります。それに似たものを継承します。

卒業後と活躍

家電機器、自動車などメーカーを始め、インターネットサービス系、巨大産業となっているビデオゲーム制作会社、紙媒体から電子媒体に移り変わる、出版業界や、広告業界などで、未知や未踏の領域、新しい問題に対して、新しいアイデア、価値を具現化して提唱し、産業を導ける人材となる。

先端メディアサイエンス学科で学ぶことをイメージするための参考資料

takram 田川欣哉に学ぶ、《デザインエンジニア》の仕事と思想。[前編]│CAREER HACK
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/17

takram 田川欣哉に学ぶ、《デザインエンジニア》の仕事と思想。[前編]│CAREER HACK

今の世の中、抱えている問題が非常に複雑になっているので、いきなり正解にたどり着ける確率はゼロに近い。僕らがいかに専門家で慣れているテーマだったとしても、最初に出す答えはたいてい間違っているんです。そういう複雑な状況の中でどうモノづくりを前に進めていくかという時、プロトタイプを作って実際にユーザーに使ってもらったり、それを見ながらみんなで議論をすることはとても有効なんですね。

私自身、今回こういったことを初めて書いてみたので、これからもうちょっと洗練したり追記していくつもりです。質問などあればtwitter @100kw で気軽にどうぞ。次回の記事は渡邊研究室で何をやるかという話にしたいと思います。

メンバーで先端メディアサイエンス学科の特設サイトもつくっています。こちらは集まっている教員が掲載されている記事やプロジェクトなどを集めたものです。

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  • 渡邊恵太

    インタラクション の研究者。

    明治大学 に開設される 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科の准教授。近著に「融けるデザイン -ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

    知覚や身体性に基づくインタラクションや、生活時間に溶け込む次世代メディアインタラクションの研究。

    2004年くらいからたまに書いてるブログ。

    現在のプロジェクトはWebトップページを。